Vol.02 洗車ガレージの設計記録|GCL・クランツレ・純水器・照明計画
床の排水計画から照明・収納・高圧洗浄機まで、洗車専用ガレージの設計内容と選定理由をまとめています。
洗車を前提にしたビルトインガレージで最優先すべきは、排水を取れる床・演色性の高い照明・洗車用品専用の収納の3点です。ガレージの大きさを車体寸法だけで決めると水の逃げ道と作業動線が確保できず、屋根が付いただけの屋外洗車になります。2台用で内寸W6.37m×D7.28mのガレージハウスでは、この3点を軸に20mm厚タイルの床とシャッター前の側溝、Ra98のダウンライト8灯、洗車用品専用の収納室(GCL)、クランツレ Profi175TSTとサンエイ化学の純水器CP-30という構成にしました。
18歳から洗車を続けてきて、屋外洗車では天候・日射・水質のどれも自分でコントロールできないことがずっと課題でした。真夏の水シミも、夜間に汚れが見えないことも、ケミカルや道具を替えて解決する話ではなく、洗車をする環境そのものを作らないと変わりません。ガレージ側で屋根・照明・水質・排水を確保して初めて、天候に左右されない洗車ができます。本記事は2022年9月時点・着工前の設計内容の記録で、完成後の最終仕様はVol.03にまとめています。
- 洗車に必要なガレージ内寸と前後クリアランスの考え方
- 土間コンクリートを避けて20mmタイルを選んだ理由
- Ra98・2,470lmのダウンライトで照明を組んだ根拠
- クランツレと純水器のサイズを決める判断基準
洗車ガレージの広さの決め方
ビルトインガレージの大きさは、車体寸法そのものより「車体の前後左右にどれだけ余白を残せるか」で決まります。一般的にガレージは駐車と乗り降りができる寸法で計画されますが、洗車をするなら車の周囲を1周して作業できることが前提になります。土地の制約がある以上、どこを削ってどこを守るかを先に決めておく必要があります。
× D 7.28m
× D 7.1m
※旧バージョン図面の為、排水計画が異なります
ガレージの床・壁の仕上げ
ガレージの内装は、水と洗剤が常時かかる前提で素材を選びます。床は土間コンクリートではなく20mm厚タイル、壁・天井は屋外用の鋼板スパンドレルというのが、洗車ガレージでの結論でした。床・側溝・壁天井・シャッターの4点は、後から変更が効かないため設計段階で決め切る必要があります。
洗車ガレージ照明の選び方
洗車ガレージの照明は、十分な明るさ(lm)を確保したうえで演色性(Ra)まで妥協しないことが条件になります。暗ければ汚れそのものが見えず、明るくても演色性が低ければ水シミ・拭き残し・磨き傷の判別ができないためです。ガレージはリビングから常時見える空間のため、機能一辺倒の照明は現実的ではありません。ディテーリングの観点から言うと、スポットライトをたくさん設置したほうが明るさは十分確保できますが、それではデザイン・意匠性が犠牲になってしまいます。ダウンライトのみで構成し、不足する明るさはSCANGRIP MULTIMATCH 3で補う方針です。
決め手はRa98という超高演色性と2,470lm(LZD-93125DBW)という明るさ。住宅用ではなく店舗向けの製品で、他メーカーではここまでのダウンライトは現時点でほぼ存在しない。
- LZD-93125GBM 3,000K / Ra98 / 1,800lm ×2灯(日常生活+洗車用)
- LZD-93125DBW 4,000K / Ra98 / 2,470lm ×6灯(洗車用)
明るさが足りない場面はSCANGRIP MULTIMATCH 3(最大4,500lm / Ra96)、またはMULTIMATCH 8(最大8,000lm / Ra96)で補完。
GCL|洗車用品の収納設計
ガレージに隣接した洗車用品専用の収納・ディスプレイルームをGCL(ガレージクローゼット)と呼んでいます。平面図では「納戸2」と表記している部分です。(図面が未完成の為、簡略化した図面を掲載しています)
洗車用品収納(GCL)のレイアウト|平面図
図面上側がディスプレイ収納・引き出し収納・開き戸収納エリア。
図面下側は左から洗濯機・純水器設置スペース+収納、シンク、カウンターの順で配置。カウンター下には高圧洗浄機とバケツを収納します。
GCL平面図|上側が収納エリア、下側が洗濯機・純水器・シンク・カウンター
ケミカルボトルの収納棚|ディスプレイ収納側展開図
ディスプレイ収納側展開図|ガラス棚板18枚でボトル90本以上を展示
- 引出し収納×8、開き戸収納×5、オープン収納×2
- 引出し:マイクロファイバークロス・アプリケーター
- 開き戸:掃除機・ブロワー等の大型道具
- オープン下部:SCANGRIP WHEEL STAND保管
- オープン上部:SCANGRIP・マキタバッテリー充電スペース
- 天板:メラミン 幕板・収納内部:ポリ合板
ガラス棚板×18枚。1段5本換算で90本以上のケミカルボトルを展示収納可能。
カウンター上辺りにはブラシを掛けられるブラケットを設置予定。
シンク・洗濯機・純水器の配置|カウンター側展開図
カウンター側展開図|右から洗濯機・純水器スペース、シンク、カウンター
- 天板:メラミン
- シンク:ステンレス製(デザイン重視)
- 収納上部:高圧洗浄機を収納
- 収納下部:バケツドリー・バケツ
- 洗車専用コンパクト洗濯機(扉付きで普段は見えない)
- 純水器(サンエイ化学 CP-30)※現在は廃盤
- 洗濯機上部:洗車クロス用ピンチハンガー収納
高圧洗浄機と純水器の選び方
洗車用の高圧洗浄機と純水器は単体で選ぶものではなく、高圧洗浄機の吐出水量(L/h)と純水器の最大通水量(L/h)が釣り合うかで組み合わせを決めます。業務用のクランツレを使うなら純水器は30L以上が目安で、ここを外すと純水が途中で足りなくなり、別途貯水タンクが必要になります。
- 電源:三相200V
- 吐出圧力:3〜15MPa
- 吐出水量:12L/分(720L/h)
家庭用高圧洗浄機では洗車には非力と判断。スノーフォームの推奨圧力(12MPa)を常用で実現できる唯一の現実解。クランツレは10年使用を目標に製作されているため、洗車使用だけならかなり長く使えると思います。
高圧洗浄機
- 最大通水量:750L/h
当初はCP-10(10L / 最大通水量250L/h)を検討。しかしProfi175TSTの吐出水量は720L/hで、CP-10の通水量250L/hでは供給が追いつきません。一度タンクに純水を貯めてから高圧洗浄機に送る方式にすれば使えますが、GCL内にタンクを置く余裕がないため、通水量750L/hのCP-30に変更して直結で使える構成にしました。
デメリットは運転重量約50kg。
純水器(後継モデル)
ガレージハウスの完成予想CG
設計段階で作成した完成予想CGです。ガレージとリビング・キッチンを一体で見せる構成のため、ガレージ内装は住空間から見えることを前提に決めています。以下は2022年9月時点のCGです。
ガレージ内からリビング側を見たCG
キッチンからガレージ・リビング側を見たCG
リビングからキッチン側を見たCG
洗車ガレージ設計のFAQ
洗車ガレージの設計で実際に迷った点を、判断基準とあわせてまとめます。
洗車できるガレージには、どのくらいの広さが必要ですか?
洗車ガレージの床に、置き敷きガレージタイルや床用塗装を選ばなかったのはなぜですか?
洗車用ガレージの照明は、どのくらいの明るさと演色性が必要ですか?
家庭用高圧洗浄機ではなく業務用のクランツレを選んだ理由は何ですか?
純水器は何Lの樹脂量を選べばいいですか?
この設計は実際にそのまま完成しましたか?
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