純水器のTDS(ppm)とEC(µS/cm)の違い|換算方法と採水量への影響を実測解説
純水器の採水量やランニングコストを調べていると、あるサイトはµS/cm、別のサイトはppmで水質を表していて、同じ水なのに数値が2倍近く違うことがあります。私自身、TDSメーターのppm表示をそのままµS/cmとして採水量の計算に入れてしまい、純水器関連記事の数値をすべて見直すことになりました。
自宅の水道水を導電率モードで測ると57µS/cm、TDS表示では27ppmでした。27 ÷ 57 ≒ 0.474 となり、ppm × 2 = µS/cm という関係が実測でも確認できます。採水量は原水の導電率に反比例するため、この単位の取り違えは計算結果を約2倍ズラします。純水器の数値を扱うなら、まず単位を揃えることが出発点になります。
- EC (µS/cm)とTDS (ppm)の違いと、ppm × 2 = µS/cm での換算方法
- 複数メーカーの公表値をµS/cmに揃えて検証した結果と、純水の判定基準
- TDSメーターを導電率モードで使う手順と、単位ミスが採水量計算に与える影響
純水器の単位が混乱する理由
純水器の水質を表す単位にはEC(導電率・µS/cm)とTDS (ppm)の2つがあり、数値がブレる原因のほとんどはこの2つの取り違えにあります。
純水器の採水量やランニングコストを調べていると、あるサイトはµS/cm、別のサイトはppmで水質を表していて、同じ水なのに数値が2倍近く違うことがあります。今回はこの混乱の正体を、自宅の水道水を実際に測ったデータとメーカーの公表値をもとに整理します。結論から言うと、µS/cmとppmは同じ水を別の物差しで測っているだけで、間に単純な換算式が1本あるだけです。ここを押さえておくと、メーカーの公称採水量も、当ブログの計算ツールも、他社の比較表も、すべて同じ土俵で読めるようになります。
実はこの記事を書いたのは、私自身がこの取り違えをやってしまったからです。TDSメーターのppm表示の数値を、そのままµS/cmとして採水量の計算に入れていました。単位が1つズレただけで採水量は2倍近く変わるため、当ブログの純水器関連記事の数値をすべて見直し、訂正する作業が発生しました。同じ間違いを踏む人を減らしたいというのが、この記事の出発点です。
この記事で解決できることは次の4つです。ECとTDSが何を表しているのか、両者をどう換算するのか、純水になったかどうかをどの数値で判定するのか、そして単位を間違えると採水量の計算がどれだけズレるのか。純水器のサイズ選びやコスト計算でつまずいている人ほど、最初に読んでおく価値がある内容です。
EC (µS/cm)とTDS (ppm)は何が違うのか
EC(導電率・µS/cm)は水の電気の通しやすさを電極で直接測った実測値で、TDS (ppm)はそのECに係数を掛けて算出した換算値です。
純水器まわりで登場する単位は、実は性質の異なる3つが混ざっています。1つ目がEC(導電率)で、単位はµS/cm(マイクロジーメンス毎センチメートル)。ECはElectrical Conductivity(電気伝導率)の略で、日本語では導電率と呼びます。水にどれだけイオンが溶けているかを電気の通しやすさとして測る物理量で、電極を挿せば直接読める実測値です。TDSメーターに「EC」という表示モードがあれば、それがこの導電率にあたり、単位はµS/cmになります。
2つ目がTDS(Total Dissolved Solids・総溶解固形物)で、単位はppm (mg/L)。これはECに一定の係数を掛けて「溶けている物質の量」に置き換えた換算値です。そして3つ目が硬度で、単位はmg/L as CaCO3。これはカルシウムとマグネシウムだけの量を表すもので、ECやTDSとは測っている対象そのものが違います。
| 指標 | 単位 | 意味 |
|---|---|---|
| EC (導電率) | µS/cm | 実測値。電極で直接測る物理量 |
| TDS | ppm (mg/L) | ECに係数を掛けた換算値 |
| 硬度 | mg/L as CaCO3 | Ca・Mgのみの量。EC・TDSとは別物 |
ECとTDSは同じ水を別単位で言い換えただけなので換算できますが、硬度は単純換算できません。水道局が公開している水質データや、水の硬さを色分けした日本地図はこの硬度であることが多く、純水器の採水量計算にそのまま使うと必ず矛盾します。硬度データを扱うときは、EC・TDSとは別枠・別単位として切り離してください。
なお工業用の水処理では、比抵抗 (MΩ·cm)という単位も使われます。これは導電率の逆数にあたる指標で、水が純粋になるほど数値が大きくなります。半導体向けの超純水などで登場する単位で、洗車用の純水器で目にする機会は多くありません。
TDSメーターの正体は導電率計
市販のTDSメーターは名前こそTDSですが、センサーが読んでいるのはEC(導電率・µS/cm)で、それに係数を掛けてppm表示しているだけの装置です。
ここが今回の話の肝です。一般的に販売されているTDSメーターは、内部では導電率を測っています。測った導電率に0.5などの係数を掛け算して、ppmという数字に変換して画面に出しているだけです。つまりTDSメーターと導電率計は別物ではなく、同じセンサーの表示モードが違うだけと考えると分かりやすいです。「TDS&ECメーター」という商品名で売られている機種が多いのも、この2つが同じセンサーの表示違いだからです。
問題は、この係数がメーカーによって統一されていないことです。代表的なものだけでも、NaCl換算で約0.5、KCl換算で0.5〜0.55、442換算で約0.7と幅があります。同じ水を測っても、係数が違えばppm表示の数字は変わってしまいます。一方で、換算前のEC (µS/cm)にはこのブレがありません。だから水質を正確に扱いたいなら、換算値のppmではなく実測値のµS/cmを基準にするのが理にかなっています。当サイトが一般的なNaCl換算の係数0.5を採用し、計算の基準をµS/cmに統一しているのはこのためです。
もう一点、簡易メーターには測定誤差があります。純水器に付属する簡易TDSメーターは、測定誤差が±10%程度と明記されているものもあります。数値を絶対値として扱うのではなく、目安として読み、同じ機器で継続的に測って変化を追う使い方が現実的です。
µS/cmとppmの換算方法 (ppm×2=µS/cm)
µS/cmとppmは、ppm × 2 = µS/cm、µS/cm ÷ 2 = ppm という1本の式で相互に変換できます。
換算はこれだけ覚えれば十分です。TDSメーターのppm表示を2倍すればEC (µS/cm)になり、逆にµS/cmを2で割ればppmに戻ります。これはTDSメーターで一般的なNaCl換算(係数0.5)の逆算にあたります。
ppm × 2 = µS/cm
µS/cm ÷ 2 = ppm
換算早見表
| TDS (ppm) | EC (µS/cm) |
|---|---|
| 20 | 40 |
| 30 | 60 |
| 50 | 100 |
| 70 | 140 |
| 100 | 200 |
| 150 | 300 |
この係数0.5は、実際に自宅の水道水を測って裏付けを取っています。同じ水を導電率モードで測ると57µS/cm、TDSモード (ppm)で測ると27ppmでした。27 ÷ 57 ≒ 0.474 となり、ほぼ0.5に収まります。
メーカー公表値で換算式を検証する
各メーカーが公表しているppm表記の採水量を2倍してµS/cmに換算すると、メーカーが違っても同じ計算式に乗ることが確認できます。
換算式が正しいかどうかは、自宅の実測値だけでは判断できません。そこで、複数の純水器メーカーが公表している採水量データを使って検証しました。基準にしたのは、採水量を導電率 (µS/cm)で公表しているサンエイ化学の公式仕様です。同社は樹脂10Lで、原水100µS/cmのとき約3,600L、原水200µS/cmのとき約1,800Lと公表しています。ここから導かれる計算式が次のものです。
採水量(L) = 180 × 樹脂量(L) × (200 ÷ 原水µS/cm)
この式に、他社が公表しているppm値を2倍してµS/cmに直した数値を入れ、各社の公表採水量と比較しました。検証の対象は、原水の水質条件・イオン交換樹脂量・採水量の3つをすべて公開しているメーカーに限っています。採水量だけを載せて前提条件が非公開の製品は、計算の前提が確認できないため除外しました。
検証結果(いずれも樹脂10L)
| メーカー | 公表原水 | µS/cm換算 | 公表採水量 | 計算式の値 |
|---|---|---|---|---|
| ACTIAL | 70ppm | 140µS/cm | 2,560〜3,040L | 約2,571L |
| アストロプロダクツ | 100ppm | 200µS/cm | 約1,900L | 約1,800L |
| Hydro Clean PRO | 50ppm | 100µS/cm | 3,200〜3,800L | 約3,600L |
| Hydro Clean PRO | 100ppm | 200µS/cm | 1,600〜1,900L | 約1,800L |
| Hydro Clean PRO | 150ppm | 300µS/cm | 1,100〜1,260L | 約1,200L |
| DK-works | 90ppm | 180µS/cm | 約1,800L | 約2,000L |
結論から言うと、どのメーカーも「公表採水量 ≒ 計算式の値」に収まりました。ppm×2でµS/cmに揃えれば、メーカーが違っても同じ計算式で説明できるということです。
実例:換算しないとどうなるか
ACTIALの公表原水70ppmを、換算せずそのまま70µS/cmとして式に入れると、採水量は約5,143Lになります。公表値は2,560〜3,040Lなので、倍近く外れます。70ppmを2倍して140µS/cmで計算すると約2,571Lとなり、ここで初めて公表値と一致します。この「換算しないと2倍ズレる」現象が全社で同じように起きている以上、偶然ではありません。
反比例の関係も裏付けが取れる
Hydro Clean PROは原水50/100/150ppmの3点を公表しています。µS/cmに直すと100/200/300µS/cm、計算値は1,200L/1,800L/3,600Lとなり、いずれも公表レンジに収まりました。同じ製品で原水が2倍になれば採水量が半分になる、という反比例の関係がそのまま確認できます。
ズレの出方も見ておきます。DK-worksは計算値が公表値より約10%大きく、アストロプロダクツは約5%小さい。ズレが両方向に散っていて片側に偏っていないので、式そのものの誤りではなく、樹脂の配合比や測定条件の差と考えるのが自然です。
分かるのは、ppm×2=µS/cmの換算が正しいことと、採水量が導電率に反比例することの2点です。一方、係数180(樹脂1Lあたりの能力)が絶対的に正しいかまでは検証できていません。180はサンエイ化学の公表値から逆算した数字で、この検証の前提にあたるためです。他社が一致するのは、イオン交換樹脂の交換容量が樹脂の物性で決まり、メーカーが違っても大きくは変わらないからと考えられます。
なお、樹脂量あたりの効率を独自に高めたと公表している製品は、この式の前提から外れるため検証対象に含めていません。各社の数値は執筆時点の公表値です。各社のスペックやコストを横並びで見たい場合は、こちらで比較しています。
なぜサンエイ化学だけµS/cm表記なのか
サンエイ化学が採水量データをµS/cmで公表しているのは、工業用水処理を本業とするメーカーで、水処理業界の標準単位がµS/cmだからです。
純水器を調べていると、サンエイ化学の資料だけ単位がµS/cmで、他は軒並みppmという場面に出くわします。これはサンエイ化学が特殊なのではなく、業界の住み分けの結果です。同社は工業用水処理や半導体向けプラントも手がけるメーカーで、こうした水処理業界では導電率 (µS/cm)や比抵抗 (MΩ·cm)が標準単位として使われています。JISの水質試験項目でも電気伝導率が採用されていて、プロの現場はµS/cmで話が通じます。
対して、熱帯魚・水耕栽培・飲料水といった消費者市場向けのTDSメーターは、ppmが既定表示になっています。導電率モードに切り替えられる機種も多く流通していますが、電源を入れた直後に出るのはppmです。背景にあるのは、WHOやEPAの飲料水ガイドラインが総溶解固形物をmg/L (ppm)で示していることで、メーターの数値をそのまま基準値と照合できるppmが消費者向けの標準として定着しました。
つまりプロ側がµS/cm、消費者側がppmという住み分けが起きているだけで、どちらかが間違っているわけではありません。両者をつなぐのが、先ほどの ppm × 2 = µS/cm という式です。
補足すると、同じメーカーの資料内でも単位が混在することがあります。サンエイ化学の場合、製品仕様表は導電率 (µS/cm)で書かれている一方、採水量の仕組みを説明する図解ではTDS (ppm)が使われています。資料ごとに単位を確認する習慣を持っておくと、読み違えを防げます。同社製品の通水量やサイズ選定の考え方は、こちらで詳しく扱っています。
水の硬度 (mg/L)は第3の別単位
水の硬度 (mg/L as CaCO3)はカルシウムとマグネシウムの量を表す単位で、ECやTDSとは測っている対象が違うため、純水器の採水量計算には使えません。
水質を調べていると、水の硬さを色分けした日本地図をよく見かけます。あの地図の数値は硬度で、単位はmg/L as CaCO3。カルシウムとマグネシウムの含有量だけを表したもので、水に溶けているイオン全体を測る導電率とは別の物差しです。硬度と導電率はざっくり相関はあるものの、単純な換算式で行き来できる関係ではありません。
ここで間違いが起きやすいのは、硬度の地図と純水器のppm値を同じページに並べて比較根拠にしてしまうケースです。片方は硬度、もう片方はTDS、単位も測っている対象も違うので、そのまま比べると必ず矛盾します。硬度データそのものは地域の水質を知る手がかりとして価値がありますが、純水器の採水量やコストを計算する場面では使わず、別枠の参考情報として扱ってください。判断に迷ったら桁で見分けるのが早く、日本の水道水はおおむねEC値:30〜280µS/cm、TDS値:15〜140ppm、硬度:10〜120mg/Lの範囲に収まります(最も低いのは北海道の道東・道北で約30µS/cm、最も高いのは沖縄県で約275µS/cm)。
純水になったかを判定する数値
純水器を通した水が純水になっているかどうかは、導電率1µS/cm以下 (TDS 0〜1ppm)を目安に判定します。
純水器を使うときに知りたいのは、原水の数値だけではありません。出てきた水がちゃんと純水になっているか、そして樹脂がいつ寿命を迎えるかです。ここでも単位の理解が効いてきます。
サンエイ化学のカートリッジ純水器の場合、処理水質は導電率1µS/cm未満と公表されています。同社の資料では、イオン交換樹脂が能力を使い切って処理水質が低下することを、TDS 1ppm超・導電率1µS/cm超という両単位で示しています。つまり出口側の水が導電率1µS/cmを超えてきたら、樹脂の交換時期が近いという判断になります。
一方、他社では出口の水がTDS 20ppmになるまでを採水量としているケースもあります。20ppmは導電率に直すと約40µS/cm。これは北海道の道東・道北(約30µS/cm)や秋田県(約45µS/cm)など、原水の導電率が低い地域の水道水とほぼ同じ水準です。つまりこの基準では、そうした地域の水道水がそのまま純水と呼べてしまうことになります。純水器を通したのに水道水と変わらない水質、というのは基準として無理があります。
純水の判定基準は導電率1µS/cm以下 (TDS 0〜1ppm)とし、出口側の数値が上昇し始めた時点でイオン交換樹脂を交換するのが確実です。ここを緩く取ると、純水のつもりで水道水に近い水を使い続けることになり、水シミ対策という本来の目的を果たせません。
メーカー間で採水量を比べるときは、原水の条件だけでなく、どこまでを純水とみなしているかという終了条件も揃っているかを確認してください。終了条件が20ppmと1ppmでは、同じ製品でも採水量の数字が大きく変わります。ここが揃っていない数値同士を並べても、比較になりません。
実際の運用では、洗車のたびに出口側の水を測り、数値が上がり始めたタイミングを記録しておくのが確実です。カタログ上の採水量はあくまで目安で、実際の寿命は原水の水質と通水量で変わります。
測るのは「原水(入口)」と「純水(出口)」の2箇所です。原水の値は採水量の計算に、出口の値は樹脂の交換判断に使います。用途が違うので、どちらを測った数値なのかを記録に残しておいてください。
この水質が仕上がりにどう影響するのか、拭き上げを省いても水シミが出ないのかは、実際に乾燥させた状態まで含めて検証しています。
TDSメーターで自宅の原水を測る方法
手持ちのTDSメーターの多くはモード切替で導電率 (µS/cm)表示に変えられるため、純水器の計算には導電率モードで測った自宅の原水の値を使うのが確実です。
採水量やコストの計算式はあくまで目安です。地域や季節によって原水の値は変わるため、いちばん確実なのは、正確なメーターで自分が実際に使う水道水(原水)を測ることです。自宅で使っているサンエイ化学のYL-TDS2-Aを例に、測定の手順を挙げます。多くのメーターはTDS(ppm)・導電率(µS/cm)・水温をMODEキーで切り替えられるので、まず導電率モード (µS/cm)に合わせます。
STEP 1 導電率モードに切り替える
メーターのMODEキーを押し、表示単位をµS/cmに合わせます。ppm表示のままだと、この記事で説明したとおり実際の半分の数値になってしまいます。
STEP 2 少し流してから容器に汲む
蛇口をひねってすぐの水は、配管内に長時間溜まっていた水です。管内で成分が溶け出して数値が上がっていることがあるため、30秒ほど流してこの滞留水を抜き切ってから、コップなどの容器に汲みます。測るのは純水器を通す前の水道水(原水)で、純水器を通過した後の水は測りません。
STEP 3 容器に浸して数値が止まるまで待つ
キャップを外し、電極部分を規定の線まで水に浸します。流れる水に直接当てると気泡が入って値が飛ぶうえ、温度補正 (ATC)も追いつかないため、必ず容器に汲んだ水で測ります。軽くかき混ぜて気泡を抜き、数値の変動が止まってから読み取ります。安定までの時間は機種によって異なり、目安は10〜20秒程度です。測定完了マークが点灯する機種は、その表示に従ってください。
STEP 4 両方の値を記録する
「導電率◯◯µS/cm(TDS表示◯◯ppm)」の形で両方を残しておくと、後で計算するときも、記事の数値と照らし合わせるときも迷いません。あわせて測定日と水温も記録しておくと、季節による原水の変動が把握できます。導電率は水温が高いほど高く出るうえ、水源事情でも原水そのものが季節変動するため、夏と冬で数値が変わるのは正常です。
測った値は、そのまま計算ツールに入力すれば採水量・コスト・交換時期まで自動で算出できます。
お使いのメーターに導電率モードが無い場合は、ppm表示の数値を2倍すればµS/cmになります。ただし前述のとおりメーカーによって係数が違うため、可能なら導電率モードで実測した値を使ってください。
測る前の目安:地域別の導電率
実測が最優先ですが、メーターが手元に無い段階での目安として、地域別のおおよその値を挙げておきます。
※47都道府県の水道水導電率の公式データセットは存在せず、上記は硬度分布等からの推定値です。公式の測定値ではありません。
47都道府県別の導電率一覧は、こちらの記事に掲載しています。
Measuring Device
単位ミスで採水量が2倍ズレる理由
純水器の採水量は原水の導電率に反比例するため、µS/cmとppmを取り違えると採水量の計算結果がそのまま2倍ズレます。
これが単位を正しく扱うべき最大の理由です。サンエイ化学の公式基準をもとにした採水量の一般式は次のとおりです。
採水量(L) = 180 × 樹脂量(L) × (200 ÷ 原水µS/cm)
※200=サンエイ化学が公式の基準にしている原水の導電率 (µS/cm)
※180=原水200µS/cmのとき、イオン交換樹脂1Lあたりに作れる採水量 (L)。公式基準の「樹脂10Lで1,800L」を樹脂1Lあたりに直した値
この式の分母に原水の導電率が入っている点が重要です。原水の値が半分になれば、採水量は2倍に膨らみます。この反比例の関係はサンエイ化学自身も図解で示していて、原水の水質が1/2になると採水量が2倍になると説明されています。つまり本来57µS/cmで計算すべきところを、TDSメーターのppm表示27をそのまま入れてしまうと、分母が半分以下になって採水量が2倍以上に跳ね上がります。私が実際にやってしまったのがこの間違いです。
自宅の35Lタイプ(樹脂35L)を例に具体的に見てみます。原水を正しく57µS/cmで計算すると、採水量は約22,100L、私は洗車の全工程で純水を使用しているので、洗車1回平均で240L使用なら約92回分、樹脂コストは約1.2円/L、1回あたり約295円です。これに対し、もし全国平均とされる100µS/cmで計算すると採水量は約12,600Lまで下がり、洗車回数は約52回、コストは約2.2円/L・1回あたり約516円になります。同じ純水器でも、原水の導電率次第でコストが倍近く変わるわけです。だからこそ、入力する数値の単位を取り違えないことが、正確なコスト試算の出発点になります。ここで使っている数値は、自宅の35Lタイプを3年使い続けた実測データをもとにした概算です。
ただし、これらの数値はあくまで計算上の概算です。原水の導電率は地域や季節で変わり、通水量や水温によっても採水量は前後します。正確に知りたいなら、導電率モードのメーターで自宅の原水を測り、その値で計算するのがいちばん確実です。なお当サイトの計算ツールは、手元のメーターがppm表示のままでも使えるよう、ppm入力にも対応しています。単位を選んで入力すれば、内部で自動的にµS/cmへ換算して計算します。この試算に使った3年分の実測データは、35Lタイプのレビュー記事で公開しています。
よくある質問
純水器の単位についてよく検索される疑問を、実測データとメーカー公表値をもとにまとめました。
まとめ
純水器の単位は、次のポイントを押さえておけば混乱しません。
単位の考え方が整理できたら、次は自分の純水器で実際の採水量やコストを計算してみてください。手元のメーターがppm表示でも、そのまま入力できる計算ツールを用意しています。